学習法

簡体字と繁体字の違い|上海・中国本土は簡体字、台湾・香港は繁体字

台北・迪化街の繁体字の看板が並ぶ通り。台湾で今も使われ続ける繁体字の街並みを、簡体字との対比の入り口として使用。
Kiyoteru Awaji (Wikimedia Commons, CC BY 4.0)

結論

上海は中国本土なので簡体字です。中国本土(北京・上海を含む)・シンガポール・マレーシア華人圏は簡体字、台湾・香港・マカオは繁体字が主に使われています。中国の「国家通用言語文字法」は国の共通文字を簡体字を基本とする「規範漢字」と定めており、公的な場面では、文物古跡・書道作品・手書きの題字や看板などの例外を除き規範漢字を使います(2026-10-13 確認・2026年1月1日施行の改正法でも同じ)。なお「上海」という地名の2字自体は、簡体字でも繁体字でも同じ字形です。

試験制度で言えば、HSK(中国本土の公式試験)は簡体字ベース、台湾の公式試験TOCFL(華語文能力測驗)は繁体字ベースが基本です。どちらを主軸に学ぶかは、まず「行きたい先・使いたい場面」から逆算して決めるのが遠回りしない選び方です。

簡体字と繁体字、成り立ちの違い

簡体字は、1956年に中国国務院が公布した「漢字簡化方案」を出発点に整理された字体です。画数の多い字を書きやすくする目的で導入が始まり、その後改訂が重ねられて1986年に確定した「簡化字総表」として体系化されました。一方、繁体字は簡化以前の伝統的な字形を保持したもので、台湾・香港・マカオでは現在もこちらが正式な字体として使われ続けています。

どちらを学ぶべきかの判断軸

判断材料簡体字(中国本土寄り)繁体字(台湾寄り)
主に使われる地域中国本土、シンガポール、マレーシア華人圏台湾、香港、マカオ
公式試験HSK(漢語水平考試)TOCFL(華語文能力測驗)
留学・就職の主な行き先中国本土(北京・上海等)台湾
字形の特徴画数を減らした字形伝統的な字形をそのまま使用

「台湾留学・台湾就職を軸に考えている」なら繁体字、「中国本土での留学・仕事、またはHSKでの資格取得を軸にしたい」なら簡体字、というのが最もシンプルな判断軸です。台湾特有の事情は台湾留学の費用相場や台湾で就職する日本人の現実、中国語資格の全体像はHSK1級から6級・7〜9級までの違い一覧で解説しています。

迷ったらどうするか

将来の行き先を明確に決めていない段階でも、日本人にとって漢字はもともと読める強みがあるため、どちらの字体からでも極端に不利になることはありません。ただし学習の初期段階で字体を混在させると発音表記(ピンイン/注音)まで混乱しやすくなるため、迷っている場合はまず片方に決めて数ヶ月学習し、行き先が固まった段階で必要なら字体を切り替える、という進め方が現実的です。声調・ピンインの基礎固めはどちらの字体を選んでも共通して必要になるため、声調のコツ・ピンインの覚え方から始めるのがおすすめです。

Sources

  1. Wikipedia — Simplified Chinese characters
  2. TOCFL(華語文能力測驗)公式日本語サイト
  3. 中华人民共和国国家通用语言文字法(2025年12月27日修订・新華社)

よくある質問

上海で使われているのは簡体字と繁体字どっちですか?
簡体字です。上海は中国本土の都市で、中国の国家通用言語文字法は国の共通文字を簡体字を基本とする「規範漢字」と定めています。繁体字が主に使われるのは台湾・香港・マカオです(2026-10-13 確認・2026年1月1日施行の改正法でも同じ)。
香港・マカオ・台湾は簡体字ですか?
いいえ、香港・マカオ・台湾では繁体字が公式に使われています。旅行や留学の行き先が台湾・香港なら繁体字、中国本土なら簡体字を優先すると無駄がありません。
簡体字と繁体字、どちらが難しいですか?
一概には言えません。繁体字は画数が多いですが部首や意味のつながりが視覚的にたどりやすい面もあります。難易度よりも行きたい先で選ぶほうが現実的です。
簡体字を覚えれば繁体字も自然に読めますか?
字によって差があります。簡略化されていない字はそのまま通じますが、大きく字形が変わった字は個別に覚え直しが必要です。
HSKは繁体字で受験できますか?
HSKは簡体字がベースの試験です。繁体字を主軸に学びたい場合は台湾の公式試験TOCFL(華語文能力測驗)が対応する試験になります。
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