海外就職

台湾で就職する日本人の現実|就労ビザの条件・給与水準を一次情報で整理

台北101タワーとオフィス街。台湾で正社員として働く日本人の多くが目指すビジネス拠点・台北を象徴するカット。
CEphoto, Uwe Aranas (Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0)

結論

台湾で正社員として働く日本人の多くが使うのは、労働部(労働力発展署)が定める「専門性・技術性工作(A類)」の就労ビザです。公式基準(2026-07-16時点でezworktaiwan.wda.gov.tw確認)では、学歴・実務経験の要件と、月平均給与が新台湾ドル47,971元以上であることの両方が求められます。「HSK◯級があれば働ける」という単純な制度ではなく、学歴・経験・給与という3点セットで審査される点を正確に理解しておくことが最初の一歩です。

ビザ・給与基準は台湾の労働部が改定することがあります(実際、2024年末時点で基準額の引き上げが議論されていました)。就職活動・ビザ申請の前に必ず労働部労働力発展署の外国人在台工作服務網(ezworktaiwan.wda.gov.tw)で最新情報を確認してください。本ページは個別のビザ取得を保証するものではありません。

就労ビザ(専門性・技術性工作)の要件

台湾の労働部が示す基準では、以下4ルートのいずれかを満たす必要があります。

  1. 医師・弁護士等、専門資格試験に合格していること
  2. 関連分野の修士号以上、または学士号+関連実務経験2年以上
  3. 多国籍企業に1年以上勤務し、台湾へ転籍派遣されること
  4. 学歴がなくても実務経験5年以上かつ、特筆すべき実績・独創性が認められること

多くの日本人オフィスワーカーが該当するのは2のルートです。加えて、月平均給与が新台湾ドル47,971元以上という給与基準が、日本語教師など一部の例外を除き原則として課されます。

申請の流れ

  1. 雇用主(台湾企業)が労働部に就業許可証を申請
  2. 許可後、外交部領事事務局に就労ビザを申請
  3. 入国後15日以内に、居住地を管轄する移民署で外僑居留証を取得

このプロセスは雇用主側の申請が起点になるため、まず台湾企業からの内定(雇用主側の合意)が前提という点は日本国内の就職活動と大きく異なりません。

給与水準の目安

参考として、台湾の2026年1月時点の法定最低賃金は月額29,500台湾元・時給196台湾元です(労働部発表)。専門職就労ビザの給与基準47,971元は、この最低賃金の約1.6倍にあたる水準で、台湾人労働者の一般水準を下回らないことも制度上求められています。なお、これとは別に2026年1月から、製造業・建設業等で移工(外国人労働者)が「中階技術人力」へ転換する場合の給与基準(月3万5,000元・介護は2万6,000元)も新設されていますが、これは日本人が目指す専門職ルートとは別の枠組みです。

HSKのスコアは必須条件ではない

公式のビザ要件そのものにHSK◯級以上という定めはありません。ただし採用する台湾企業側が業務上の必要から中国語力を求めることは一般的で、実務では「HSK4級程度が応募条件として名指しされる求人が多い」といった実感が語られています。学習の到達目安はHSK1級から6級・7〜9級までの違い一覧、まず自分の中国語レベルを整理したい場合はHSK3級のレベル目安を参考にしてください。

留学から就職への現実的な導線

いきなり台湾で就職活動をするより、まず語学留学で生活基盤と語学力を作ってから現地就職を目指すルートを選ぶ人も少なくありません。留学の費用感は台湾留学の費用相場で整理しています。

よくある質問

Q. HSK何級があれば台湾就職できますか? A. 公式の就労ビザ要件にHSK級の指定はありません。ただし企業側が実務上の必要から中国語力を求めることは多く、目安として4級前後を応募条件に挙げる求人がよく見られます。

Q. 給与基準(47,971元)はこの先も変わりませんか? A. 断定はできません。台湾の労働部では基準額の引き上げが継続的に議論されており、就職活動時点の最新公式情報を必ず確認する必要があります。

Q. ワーキングホリデーから正社員就職につながることはありますか? A. ワーキングホリデーはあくまで就労ビザとは別枠の制度です。ワーホリ中に得た人脈・実務経験を足がかりに、あらためて専門性・技術性工作の就労ビザへ切り替えて就職するケースはありますが、自動的に正社員雇用へつながる制度ではありません。

Sources

  1. 労働部労働力発展署 外国人在台工作服務網(専門性技術性工作の要件)
  2. 労働部労働力発展署 最低薪資に関する公告
  3. 日本貿易振興機構(ジェトロ)台湾 外国人就業規制

FAQ

HSK何級があれば台湾就職できますか?
公式の就労ビザ要件にHSK級の指定はありません。ただし企業側が実務上の必要から中国語力を求めることは多く、目安として4級前後を応募条件に挙げる求人がよく見られます。
給与基準(47,971元)はこの先も変わりませんか?
断定はできません。台湾の労働部では基準額の引き上げが継続的に議論されており、就職活動時点の最新公式情報を必ず確認する必要があります。
ワーキングホリデーから正社員就職につながることはありますか?
ワーキングホリデーは就労ビザとは別枠の制度です。得た人脈・経験を足がかりに専門性・技術性工作ビザへ切り替えるケースはありますが、自動的につながる制度ではありません。
TOBIRA編集部
  • HSK指導経験
  • 台湾/中国留学サポート経験
  • 第二言語習得論(SLA)にもとづく編集方針

HSK対策と台湾・中国留学の一次情報にこだわり、第二言語習得論(SLA)にもとづく学習設計を行う編集部。

本記事は教育目的の情報提供であり、ビザ・移民・法律に関する助言ではありません。手数料・ビザ制度・日程は変わるため、行動前に必ず記事内の公式リンクでご確認ください。