海外就職
台湾就労ビザの取り方|勞動部・駐日代表處の一次情報でみる申請の流れ

結論
台湾の就労ビザ取得は、大きく分けて次の3段階で進みます。
- 雇用主が中華民國勞動部(労働部)に「工作許可(就業許可)」を申請する
- 許可が下りたら、本人が台北駐日經濟文化代表處(または台湾国内の窓口)で「居留簽證」を申請する
- 入境後、翌日から30日以内に、居住地を管轄する内政部移民署で「外僑居留証(ARC)」を登録する
対象となるのは、台湾の就業服務法が定める区分のうち、主に「専門性・技術性工作」など特定の区分で、日本人の一般的な会社員が個人で応募できる一般的な低技能労働の求人枠ではありません。制度の詳細(必要な学歴・職歴、審査基準、必要書類)は時期によって変わるため、本記事の情報だけで判断せず、必ず勞動部・駐日代表處・移民署の公式窓口で最新の情報を確認してください。
この記事のポイント
- 就労ビザ取得は「雇用主の工作許可申請→本人の居留簽證申請→入境後のARC登録」の3段階
- 対象は就業服務法46条が定める区分が中心。多くの日本人が使うのは「専門性・技術性工作」の枠
- オンライン申請なら書類が揃っていれば7営業日で審査完了(勞動部勞動力發展署)
- 入境後は「入境翌日から30日以内」にARC(外僑居留証)の登録が必要(内政部移民署)
- 学歴・職歴の実務上の目安や給与水準は台湾で就職する日本人の現実を参照。制度・基準は変わるため必ず公式窓口で確認を
台湾の就労ビザは「専門性・技術性」中心の制度——まず構造を理解する
台湾で外国人を雇用する際の根拠法は就業服務法で、その第46條第1項が、外国人が従事できる仕事の区分を列挙しています。全国法規資料庫(law.moj.gov.tw)で確認できる条文によると、区分は主に次のように整理されます。
- 第1款:専門性または技術性の仕事(多くの日本人の会社員がこの枠で申請する中心区分)
- 第2款:政府認可の投資・事業の代表者、管理職
- 第3款・第4款:学校教員、語学学校の専任講師など
- 第6款:宗教・芸術・芸能関係の仕事
- 第5款・第7款〜第9款:スポーツ指導者、船員、漁業、家事・介護補助など
- 第10款・第11款:国家的建設・経済発展のための特定業務、その他個別許可
このうち、家事・介護補助や漁業などの区分は、台湾と特定の送り出し国との二国間の枠組みで運用されている労働者受け入れの仕組みが中心で、日本人が個人で応募して取得する一般的なルートではありません。日本のオフィスワーカーが台湾で就職する場合、実務上は第1款の「専門性または技術性の仕事」を根拠に申請するケースが中心になります。どの区分に該当するかは職種・雇用形態によって変わるため、個別の判断は必ず勞動部または雇用主を通じて確認してください。
取得の流れ:3つのステップ
ステップ1:雇用主が勞動部に「工作許可」を申請する
台湾で外国人を雇用する場合、申請するのは本人ではなく雇用主です。雇用主は「外國專業人員工作許可申辦網」(ezworktaiwan.wda.gov.tw、勞動部勞動力發展署が運営)にアカウントを作成し、必要書類をアップロードして工作許可を申請します。
勞動部の案内によると、オンライン申請で書類に不備がなければ「7個工作天內即可完成審查」(7営業日以内に審査が完了)とされています(書面申請の場合は12営業日)。この日数はあくまで審査にかかる標準的な期間であり、書類の不備や個別の審査状況によって変わりうる点に注意してください。制度や申請方法に関する問い合わせは、勞動部の専用ダイヤル(02-8995-6000)でも受け付けています。
ステップ2:本人が駐日代表處で「居留簽證」を申請する
工作許可が下りたら、次は本人が居留簽證(Resident Visa)を申請する番です。日本在住のまま申請する場合、窓口になるのは台北駐日經濟文化代表處(東京・大阪・福岡・横浜・那覇などの各拠点)です。
外交部領事事務局(boca.gov.tw)が案内する応聘居留簽證の必要書類は、次のとおりです(個別の案件によって追加書類を求められることがあります)。
- 中央目的事業主管機関(勞動部など)が発行した聘僱許可函(工作許可の正本・写し)
- 有効期間6か月以上のパスポートと身分事項ページの写し
- 領事事務局または代表處のウェブサイトで作成・印刷する査証申請表(バーコード付き、本人署名が必要)
- 6か月以内に撮影した2インチ・白背景のカラー写真2枚
- その他、個別の案件に応じて求められる書類
東京の代表處(駐日代表處)の窓口は平日9:00〜11:30・13:00〜16:00に対応しています(電話:03-3280-7811)。管轄地域や必要書類の最新情報は、必ず台北駐日經濟文化代表處の公式サイトで確認してください。
ステップ3:入境後30日以内に外僑居留証(ARC)を登録する
居留簽證で入境したら、それで手続き完了ではありません。内政部移民署は、次のように定めています。
「持居留簽證查驗入國之外國人,應於入國後之翌日起算三十日內,申請外僑居留證。」
(居留簽證で入境審査を受けた外国人は、入境した日の翌日から起算して30日以内に、外僑居留証を申請しなければならない)
つまり、入境の翌日から30日以内に、居住地を管轄する移民署のサービスステーションで外僑居留証(ARC)の申請手続きを行う必要があります。期限内に手続きをしないと、規定にもとづき過料の対象になるとされているため、余裕を持って準備することをおすすめします。
どんな学歴・職歴が求められるか
「専門性・技術性工作」の審査で実務上どのような学歴・職歴の水準が求められるか、想定される給与レンジ、HSKなどの語学資格が必須かどうかといった点は、台湾で就職する日本人の現実で一次情報にもとづいて詳しく解説しています。本記事はビザ申請の手続きそのものに絞って整理しているため、あわせて読むことをおすすめします。
ワーキングホリデー経由で目指す場合
台湾ワーキングホリデーの経験を足がかりに就労ビザへ切り替えることを考えている場合、ワーホリから就労ビザへの自動的な切り替え制度はありません。ワーホリ期間中に得た人脈・経験・語学力を土台に、本記事で解説した通常の手続き(雇用主による工作許可の申請から)をあらためて踏む必要があります。詳しくは台湾ワーホリは就職につながるのかで整理しています。
判断に迷ったら——この記事だけで進めない
台湾の就労ビザ制度は、対象となる職種の基準・必要書類・審査の運用が改定されることがあります。特に次のようなケースでは、本記事の内容だけで判断せず、必ず公式窓口に直接確認することを強くおすすめします。
- 自分の学歴・職歴が「専門性・技術性工作」の基準を満たすか不安なとき
- 雇用主側がオンライン申請の手続きに不慣れなとき
- ワーキングホリデーや留学など、他の在留資格から切り替えを検討しているとき
問い合わせ先の例:
- 勞動部勞動力發展署(外国人工作許可に関する相談):(02) 8995-6000
- 台北駐日經濟文化代表處(東京・査証相談):03-3280-7811
- 内政部移民署 外国人向け生活相談ホットライン(日本語・英語対応、24時間):1990
よくある質問
Q. 台湾の就労ビザは誰でも取得できますか? A. いいえ。台湾の就業服務法46条にもとづく区分のうち、主に「専門性・技術性工作」など特定の区分が対象で、雇用主のスポンサー(工作許可の申請)が前提になります。一般的な低技能労働向けの個人応募枠ではありません。
Q. 申請から取得まで、どのくらいの期間がかかりますか? A. 雇用主による工作許可のオンライン申請は、書類が揃っていれば7営業日で審査が完了するとされています(勞動部)。ただし居留簽證の発給や入境後のARC登録まで含めた全体の所要期間は個別の状況によって変わるため、公式に定められた総日数は確認できていません。余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。
Q. ワーキングホリデーからそのまま切り替えられますか? A. 台湾国内での自動的な切り替え制度はありません。詳しくは台湾ワーホリは就職につながるのかで解説しています。
Q. 台湾に入境した後、まず何をすればいいですか? A. 入境した日の翌日から30日以内に、居住地を管轄する内政部移民署で外僑居留証(ARC)の申請手続きを行う必要があります(内政部移民署)。
出典
- 中華民國全國法規資料庫 就業服務法第46條
- 中華民國勞動部 外國專業人才専法によるオンライン申請案内
- 勞動部勞動力發展署 外國人在臺工作服務網(申請流程及工作須知)
- 外交部領事事務局 外籍人士應聘來臺工作、申請居留簽證應繳交證件
- 内政部移民署 外國人申請居留及延期居留或變更居留原因送件須知
- 台北駐日經濟文化代表處 簽證及入境須知
次のステップ
ワーキングホリデー経験からの就職を検討している場合は台湾ワーホリは就職につながるのか、実務上の学歴・給与水準の目安は台湾で就職する日本人の現実、ワーホリビザそのものの条件は台湾ワーホリの年齢・回数制限と費用で確認できます。台湾での暮らし方全般については台湾の治安は実際どうかもあわせてどうぞ。
Sources
FAQ
- 台湾の就労ビザは誰でも取得できますか?
- いいえ。台湾の就業服務法46条にもとづく区分のうち、主に「専門性・技術性工作」など特定の区分が対象で、雇用主のスポンサー(工作許可の申請)が前提になります。一般的な低技能労働向けの個人応募枠ではありません。
- 申請から取得まで、どのくらいの期間がかかりますか?
- 雇用主による工作許可のオンライン申請は、書類が揃っていれば7営業日で審査が完了するとされています(勞動部)。ただし居留簽證の発給や入境後のARC登録まで含めた全体の所要期間は個別の状況によって変わるため、公式に定められた総日数は確認できていません。
- ワーキングホリデーからそのまま切り替えられますか?
- 台湾国内での自動的な切り替え制度はありません。詳しくは台湾ワーホリは就職につながるのかで解説しています。
- 台湾に入境した後、まず何をすればいいですか?
- 入境した日の翌日から30日以内に、居住地を管轄する内政部移民署で外僑居留証(ARC)の申請手続きを行う必要があります(内政部移民署)。
本記事は教育目的の情報提供であり、ビザ・移民・法律に関する助言ではありません。手数料・ビザ制度・日程は変わるため、行動前に必ず記事内の公式リンクでご確認ください。