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台湾の治安は実際どうか|外務省の最新評価と日本人が知っておきたい生活リスク

結論
外務省海外安全ホームページを2026年7月22日に確認したところ、台湾全土に対する「危険情報」は発出されていません(レベル0)。感染症危険情報・スポット情報・在外公館からの安全情報も、同時点でいずれも「出ておりません」と表示されています。
ただし、同じ外務省の「安全対策基礎データ」(2025年11月28日更新)は、台湾警察当局の統計(2024年)にもとづき「人口10万人当たりの刑法犯認知件数は日本の約2.8倍」と明記しています。つまり、渡航・退避を求めるような公式な警告は出ていないが、犯罪発生率そのものは日本より高いというのが外務省自身の評価です。「危険情報がない=リスクがゼロ」ではないことを踏まえたうえで、本記事では外務省が実際に公表している統計・実例をもとに、日本人が知っておきたい生活面のリスクを整理します。
この記事のポイント
- 外務省海外安全ホームページ:2026年7月22日確認時点で台湾に「危険情報」レベルの発出なし(0)
- 同じ外務省資料(2025年11月28日更新)は刑法犯認知率を日本の約2.8倍と明記。ただし殺人・強盗は件数として少なく、強盗は前年比減少
- 増えているのは窃盗(スリ・置引き)と詐欺(SNS投資詐欺・ロマンス詐欺等)
- 2025年10月開始のオンライン入境登録で偽サイト詐欺が報告されている(公式サイトは twac.immigration.gov.tw)
- 交通事故発生件数は人口が日本の約5分の1にもかかわらず日本を上回る。犯罪以上に身近なリスクかもしれない
- 台湾は地震多発地帯、台風は7〜9月がピーク。たびレジ・在留届の登録が安否確認の要になる
外務省の現在の評価:「危険情報なし」の中身(2026年7月22日確認)
外務省海外安全ホームページの危険情報は、レベル0(特別な注意喚起なし)からレベル4(退避勧告)までの5段階で運用されています。2026年7月22日に台湾のページを確認したところ、危険情報・感染症危険情報・スポット情報のいずれも「現在、〇〇は出ておりません」と表示されており、危険レベルは「0」となっていました。
一方で、同じ海外安全ホームページには台湾に限らない世界的な「広域情報」として、2026年5月28日付で「台風シーズンに際しての注意喚起(日本海、北太平洋、南シナ海等)」といった季節性の一般的な注意喚起も掲載されています。これは台湾固有の危険情報ではなく、広い地域を対象とした季節的なリマインドである点に注意してください。
危険情報は状況に応じて更新されるため、渡航前・滞在中は必ず外務省海外安全ホームページ本体で最新の情報を確認してください。本記事の記載はあくまで2026年7月22日時点の確認結果です。
実際の犯罪統計で見る台湾——何が増えていて、何が少ないのか
外務省「安全対策基礎データ」(2025年11月28日更新)は、台湾内政部警政署の発表にもとづき、2024年の刑法犯認知件数を合計38万4,877件(前年比53.0%増)と紹介しています。内訳は次のとおりです。
| 罪種 | 2024年件数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 殺人 | 135件 | 9.8%増 |
| 強盗 | 82件 | 34.4%減 |
| 強制性交 | 65件 | 21.7%減 |
| 窃盗 | 5万4,608件 | 42.4%増 |
| 詐欺 | 12万2,805件 | 224.7%増 |
この内訳を見ると、殺人・強盗・強制性交といった重大犯罪の件数自体は多くなく、強盗・強制性交はむしろ前年より減少しています。一方で急増しているのは窃盗と詐欺で、特に詐欺は前年から3倍以上に増えています。「台湾は犯罪が多い/少ない」と単純化するのではなく、何が増えているのかを具体的に把握しておくことが実用的です。
日本人がよく巻き込まれるトラブルの実例
外務省が実例として挙げている、日本人が実際に巻き込まれた犯罪・トラブルのパターンは次のとおりです。
窃盗(スリ・置引き・車上狙い)
- 夜市(士林夜市・饒河夜市など)や観光地(九份・龍山寺・永康街など)観光中にバッグから財布を盗られ、直後にクレジットカードを不正利用される
- 食事中・買物中に荷物から目を離した隙に置き引きに遭う
- 路上で酔って寝込んでいる間に所持品を盗られる
詐欺
- SNS型投資詐欺(SNSグループなどで株や投資への勧誘を受ける)
- ロマンス詐欺(SNSで知り合い、面会や結婚をちらつかせて金銭を要求される)
- ネット詐欺(代金を支払っても商品が発送されない)
その他のトラブル
- 違法タクシーに乗車し、法外な料金を請求される
- タクシー車内を汚したとして不当な清掃料金を請求される
外務省は防犯対策として、多額の現金・貴重品を持ち歩かない、バッグの取り出し口を自分の視界に入れておく、「確実に儲かる」といった投資話や面識のない相手からの送金依頼を疑うことなどを挙げています。
知っておきたい最新の詐欺手口:オンライン入境登録の偽サイト
2025年10月1日から、台湾に入境する際はオンラインでの事前入境登録(TWAC)が必要になりました。公式サイトはtwac.immigration.gov.twで、登録は無料です。
ところが、日本人旅行者が空港などに設置された偽のQRコードや案内から偽サイトに誘導され、「手数料」名目で金銭を請求されて支払ってしまう詐欺被害が発生していると報道されています。台湾の内政部移民署は、全面点検の結果、報道にあるような詐欺・有料サイトに繋がるのぼりやQRコードは見つからなかったとしたうえで、「正規の入国カード登録は完全に無料」であることを重ねて周知し、正規の登録サイトにつながるQRコードを記載したカードを各空港・港で配布するなど対策を強化しています。外務省の安全対策基礎データでも「日本人の方が偽サイトに誘導され、手数料を取られるという詐欺被害に遭う事例が発生しています。ドメイン名が実際のホームページであるか確認した上で、申し込みをしてください」と明記されています。渡航前にオンライン入境登録を済ませる際は、必ず上記の公式ドメインから直接アクセスし、料金を求められたら公式サイトではないと判断してください。
犯罪よりも身近かもしれない交通事故リスク
外務省の資料でもう一つ注目すべきなのが交通事故です。台湾の人口は日本の約5分の1にもかかわらず、2024年の年間交通事故発生件数は39万3,883件と、日本国内の発生件数(29万0,895件)を上回っています。外務省はこの点について「交通事故に遭うリスクが日本より高いと言える」と明記しています。
台湾は右側通行で、歩行者よりも車両を優先する運転が見られる、路地から一時停止せずに車・バイクが飛び出してくることがある、歩道をスクーターが走行することがある、といった日本との違いがあります。夜市や繁華街での窃盗・詐欺への注意はもちろん重要ですが、日常生活では横断歩道や路地での交通事故への警戒も、犯罪対策と同じかそれ以上に実用的な備えといえます。
自然災害への備え:地震
台湾は世界有数の地震多発地帯に位置しています。外務省の資料によれば、過去には2016年2月の台南地震(震度7)、2018年2月と2019年4月の花蓮地震(いずれも震度7)が発生し、直近では2024年4月に花蓮県で最大震度6強の地震が発生しました。
大きな揺れを感じた際は、周囲の状況に応じて安全な場所に避難し、海岸付近にいる場合は津波を警戒して高台に避難する、というのが外務省の基本的な案内です。台湾旅行・滞在の前には、緊急地震速報アプリの導入や避難経路の確認など、日本にいるときと同様の備えをしておくと安心です。
自然災害への備え:台風
台湾の主要な台風シーズンは7月から9月ですが、一年を通じて台風が来襲する可能性があります(中央氣象署が最新の台風情報を公表)。暴風雨による停電・浸水・土石流のおそれもあり、台風接近時には各市・県が「停班停課」(役所業務の停止、公立・私立学校の休校)を発令することがあり、観光施設が休業することもあります。台風が接近している際は、中央氣象署や現地報道で最新の気象情報を確認し、無理に外出しないようにしてください。
日本人向けの安全網:たびレジ・在留届・緊急連絡先
外務省は、渡航・滞在期間に応じて次の登録を案内しています。
- たびレジ:3か月未満の短期渡航者向け。滞在先の最新の安全情報をメールで受け取れるほか、事件・事故・自然災害の際の安否確認にも利用される
- 在留届:台湾に3か月以上滞在する場合に必須。日本台湾交流協会台北事務所・高雄事務所が、大規模事故や地震・台風などの自然災害発生時の安否確認に利用する
現地での主な緊急連絡先は次のとおりです。
- 警察:110/消防・救急:119/詐欺ホットライン:165
- 内政部移民署 外国人向け生活相談ホットライン(日本語・英語対応、24時間):1990
- 台北市・台中市・高雄市には、中国語が話せない人向けの外国人専用ホットライン(英語対応、一部日本語対応)も設置されています
「治安がいい」とどう付き合うか
台湾は親日的な人が多く、外務省の資料でも「一般治安情勢は比較的安定」「一般市民全般の対日感情は良好」と紹介されており、危険情報も発出されていません。多くの日本人が事件・事故なく滞在・旅行しているのも事実です。
一方で、本記事で見てきたとおり、外務省自身が「刑法犯認知率は日本の約2.8倍」「交通事故発生件数は日本を上回る」と明記しているのも事実です。「犯罪は全くない」「絶対に安全」といった言い切りは実態に即していません。夜市・観光地でのスリ対策、SNS経由の投資・ロマンス詐欺への警戒、交通事故への注意、台風・地震への備え——それぞれ具体的で対策可能なリスクとして捉え、たびレジ・在留届への登録と合わせて備えておくことが、実用的な「治安との付き合い方」だといえます。最新の状況は、渡航前・滞在中を問わず外務省海外安全ホームページで随時確認してください。
よくある質問
Q. 台湾は治安がいいと聞きますが本当ですか? A. 外務省は台湾に危険情報を出しておらず、「一般治安情勢は比較的安定」とも紹介しています。ただし同じ外務省資料は、刑法犯認知率が日本の約2.8倍、交通事故発生件数も日本を上回ると明記しています。「危険情報がない」ことと「リスクがゼロ」であることは別問題です。
Q. 一番注意すべき犯罪は何ですか? A. 外務省の統計では、2024年に特に増加しているのは窃盗(前年比42.4%増)と詐欺(同224.7%増)です。夜市や観光地でのスリ・置引き、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺への警戒が実用的です。殺人・強盗といった重大犯罪の件数自体は多くありません。
Q. 台風や地震への備えは必要ですか? A. 必要です。台湾は地震多発地帯に位置し、台風シーズン(7〜9月)には停電・浸水・土石流のおそれもあります。3か月未満の滞在なら「たびレジ」、3か月以上なら「在留届」に登録しておくと、災害時の安否確認や最新の安全情報の受け取りに役立ちます。
Q. 最新の治安情報はどこで確認できますか? A. 外務省海外安全ホームページで台湾のページを直接確認するのが最も確実です。現地在住者向けの詳しい手引きは、公益財団法人日本台湾交流協会でも公開されています。
出典
- 外務省海外安全ホームページ 台湾:危険・スポット・広域情報(2026年7月22日確認)
- 外務省海外安全ホームページ 台湾:安全対策基礎データ(2025年11月28日更新、2026年7月22日確認)
- トラベルビジョン 台湾/オンライン入国カードの登録詐欺に移民署が注意喚起
- 台湾入境卡(TWAC)公式サイト 内政部移民署
- 中央氣象署(台湾気象当局)
- 外務省 たびレジ
- 外務省 在留届電子届出システム
次のステップ
台湾でのキャリアを考えている場合は台湾ワーホリは就職につながるのかや台湾就労ビザの取り方、留学の基本を確認したい場合は台湾留学の基本、就職後のリアルな条件は台湾で就職する日本人の現実もあわせてご覧ください。
Sources
FAQ
- 台湾は治安がいいと聞きますが本当ですか?
- 外務省は台湾に危険情報を出しておらず、「一般治安情勢は比較的安定」とも紹介しています。ただし同じ外務省資料は、刑法犯認知率が日本の約2.8倍、交通事故発生件数も日本を上回ると明記しています。「危険情報がない」ことと「リスクがゼロ」であることは別問題です。
- 一番注意すべき犯罪は何ですか?
- 外務省の統計では、2024年に特に増加しているのは窃盗(前年比42.4%増)と詐欺(同224.7%増)です。夜市や観光地でのスリ・置引き、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺への警戒が実用的です。殺人・強盗といった重大犯罪の件数自体は多くありません。
- 台風や地震への備えは必要ですか?
- 必要です。台湾は地震多発地帯に位置し、台風シーズン(7〜9月)には停電・浸水・土石流のおそれもあります。3か月未満の滞在なら「たびレジ」、3か月以上なら「在留届」に登録しておくと、災害時の安否確認や最新の安全情報の受け取りに役立ちます。
- 最新の治安情報はどこで確認できますか?
- 外務省海外安全ホームページで台湾のページを直接確認するのが最も確実です。現地在住者向けの詳しい手引きは、公益財団法人日本台湾交流協会でも公開されています。
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