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TOEIC頻出単語レベル別一覧|高頻度語彙から効率よく覚える60語

夜、デスクで開いたノートとペンを使いながらTOEIC単語を復習する学習の様子
Shixart1985 / CC BY 2.0 (Wikimedia Commons)

結論

TOEICは出題範囲が幅広く、単語を手当たり次第に増やそうとすると学習が破綻しやすい。言語習得研究では、支援なしで文章をほぼ完全に理解するには数千語規模の語彙が必要とされている(Nation, 2006)が、現実的に短期間でそこまで到達するのは難しい。得点に直結しやすいのは、TOEICが繰り返し扱う「オフィス・出張・人事・物流」など日常=ビジネスの場面で頻繁に使われる語彙を先に固めることだ。この記事では、そうした頻出語をCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のレベル目安ごとに整理し、場面別に60語を一覧化した。単語の覚え方そのものは英単語の覚え方のコツ、学習全体の設計は英語独学ロードマップを参照してほしい。

この記事のポイント

- 語彙研究では、支援なしで文章を理解するには98%の語彙カバー率が必要とされ、そのためには読解で8,000〜9,000語族、聴解で6,000〜7,000語族の語彙が必要という試算がある(Nation, 2006)。

- 現実的に全てを一度に覚えるのは不可能なため、TOEICが繰り返し扱う「オフィス・出張・人事・物流」などの場面で頻出する語彙から優先して覚えるのが効率的。

- IIBC公式もTOEICは「日常生活やグローバルビジネスにおける活きた英語の力」を測定するとしており、出題語彙はアカデミックな専門用語よりも実務語彙に偏っている。

- 単語は「場面(カテゴリ)」と「レベル(難易度の目安)」をセットで覚えると、スコア目標に応じて優先順位をつけやすい。

なぜ「頻出語から」覚えるのが効率的なのか

第二言語習得研究者I.S.P.ネイションの分析では、支援なしで文章を理解できるとされる目安(98%の語彙カバー率)に達するには、読解で8,000〜9,000語族、聴解で6,000〜7,000語族という大規模な語彙が必要になるとされている(Nation, "How Large a Vocabulary Is Needed for Reading and Listening?" Canadian Modern Language Review 63(1), 2006)。これは英語学習者の大半にとって非現実的な目標であり、「見た単語を片っ端から覚える」やり方では効率が悪い。

そこで有効になるのが、頻度の高い語彙から優先的に学ぶという考え方だ。実際、英語教育の現場では、汎用的な高頻度語彙だけをまとめた語彙リスト(例えば2013年に発表されたNew General Service List=NGSLは、約2,800語のコーパス分析ベースのリストで、一般的な英語テキストの9割前後をカバーするとされる)が広く使われており、「使用頻度が高い語彙を先に固める」設計は語彙指導の定石になっている。TOEICのようにテーマがある程度限定された試験では、この考え方をさらに絞り込み、「試験が繰り返し扱う場面の語彙」を優先すると効率がよい。

TOEICの語彙がビジネス・日常語に偏る理由

IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)は、TOEIC Programについて「日常生活やグローバルビジネスにおける活きた英語の力を測定する」テストだと公式に説明している(IIBC公式サイト「TOEIC Programとは」)。TOEIC Listening & Reading Testは200問・約2時間の構成で、リスニング(約45分・100問・4パート)とリーディング(75分・100問・3パート)に分かれる(IIBC公式サイト「Test Format and Content」)。学術論文のような専門用語ではなく、オフィスでのやり取り・出張・買い物・人事といった実務寄りの場面が繰り返し出題される点が、TOEIC語彙の大きな特徴だ。だからこそ、汎用的な頻度順リストよりも「TOEICがよく扱う場面」で切り分けた語彙リストのほうが、対策としての費用対効果が高くなる。

レベル別・場面別 頻出単語60選

CEFRのレベル目安(A2〜C1)と、TOEICで繰り返し登場する6つの場面(オフィス/会計・買い物/人事/出張・会議/業務・物流/経営・法務寄りの応用語彙)に分けて、合計60語を一覧にした。まずは基礎の30語(①〜③)から固め、余裕が出たら標準・応用(④〜⑥)に進むと無理がない。

基礎(目安A2〜B1)① オフィス・コミュニケーション

単語読み方意味例文
scheduleスケジュール予定・スケジュールPlease check your schedule before the meeting.
meetingミーティング会議The weekly meeting starts at 9 a.m.
colleagueカリーグ同僚She asked a colleague to review the report.
departmentディパートメント部署The marketing department is on the third floor.
managerマネジャー管理者・マネージャーThe manager approved the new schedule.
clientクライアント顧客・取引先We are meeting a client this afternoon.
deadlineデッドライン締め切りThe deadline for the proposal is Friday.
documentドキュメント書類Please sign the document and return it.
attendアテンド出席するAll staff are expected to attend the training.
agendaアジェンダ議題The agenda includes three main topics.

基礎(目安A2〜B1)② 会計・買い物

単語読み方意味例文
receiptレシート領収書Keep your receipt in case you need a refund.
discountディスカウント割引Members receive a 10% discount on all items.
purchaseパーチェス購入(する)The company will purchase new office chairs.
customerカスタマー顧客Customer satisfaction is our top priority.
refundリファンド払い戻しYou can request a refund within 30 days.
quantityクワンティティ数量Please confirm the quantity before shipping.
invoiceインボイス請求書The invoice was sent to the wrong address.
orderオーダー注文(する)Our order was delivered a day early.
budgetバジェット予算The project has to stay within budget.
estimateエスティメイト見積もりCould you send us an estimate for the repairs?

基礎(目安A2〜B1)③ 人事・採用

単語読み方意味例文
applicantアプリカント応募者Over fifty applicants applied for the position.
resumeレジュメ履歴書Please attach your resume to the email.
interviewインタビュー面接Her interview is scheduled for Monday morning.
salaryサラリー給料The starting salary depends on experience.
vacancyベイカンシー欠員・求人There is a vacancy in the sales department.
candidateキャンディデイト候補者The hiring manager narrowed it down to three candidates.
promotionプロモーション昇進He received a promotion after two years.
vacationバケーション休暇She is taking a two-week vacation in August.
supervisorスーパーバイザー監督者・上司Ask your supervisor for approval first.
trainingトレーニング研修New employees complete a week of training.

使い方の注意:vacancy は「空室」ではなく「欠員・求人」、promotion は「昇進」と「販促」の両方の意味を持つ多義語です。文脈で判断しましょう。

標準(目安B1〜B2)④ 出張・会議

単語読み方意味例文
itineraryアイティナレリー旅程表The travel agent sent us a detailed itinerary.
reservationレザベーション予約I'd like to confirm my hotel reservation.
accommodationアコモデーション宿泊施設The company covers accommodation costs for business trips.
venueベニュー会場The conference venue was changed at the last minute.
conferenceカンファレンス会議・大会She will speak at an international conference next month.
postponeポストポーン延期するThe flight was postponed due to bad weather.
boardingボーディング搭乗Boarding begins thirty minutes before departure.
departureディパーチャー出発Please arrive two hours before departure.
delayディレイ遅延There was a two-hour delay at the airport.
negotiateニゴシエイト交渉するThey negotiated a lower rate for the hotel.

標準(目安B1〜B2)⑤ 業務・物流

単語読み方意味例文
warehouseウェアハウス倉庫The goods are stored in a warehouse near the port.
shipmentシップメント出荷・発送(貨物)The shipment is expected to arrive next Tuesday.
supplierサプライヤー仕入先We switched to a new supplier last year.
inventoryインベントリー在庫Staff check the inventory at the end of each month.
quarterlyクォータリー四半期のThe quarterly report shows steady growth.
renovationレノベーション改装The store is closed for renovation this week.
contractorコントラクター請負業者A local contractor was hired to fix the roof.
warrantyワランティ保証The printer comes with a one-year warranty.
maintenanceメンテナンス保守・整備The elevator is under maintenance until Friday.
productivityプロダクティビティ生産性The new software improved team productivity.

応用(目安B2〜C1)⑥ 経営・法務寄りのビジネス語彙

単語読み方意味例文
mergerマージャー合併The merger between the two companies was announced today.
subsidiaryサブシディアリー子会社The firm opened a subsidiary in Singapore.
complianceコンプライアンス法令遵守All staff must complete a compliance training course.
procurementプロキュアメント調達The procurement team negotiates prices with suppliers.
logisticsロジスティクス物流Logistics costs rose sharply this quarter.
outsourceアウトソース外部委託するThe company decided to outsource its customer support.
streamlineストリームライン効率化するThe new system was designed to streamline approvals.
endorseエンドース承認する・推薦するThe board formally endorsed the budget plan.
surplusサープラス余剰・黒字The company reported a budget surplus this year.
overheadオーバーヘッド(経営上の)諸経費Cutting overhead helped the store stay profitable.

使い方の注意:overhead は「頭上の」ではなく「事業運営にかかる間接経費(家賃・光熱費など)」を指します。endorse も「承認する・公式に支持する」というフォーマルな語で、日常会話の「おすすめする」より硬い響きです。

覚え方のコツ:このリストをどう使うか

一覧をただ眺めるだけでは記憶に残りにくい。次の順で使うと定着しやすい。

  1. まず基礎30語(①〜③)だけを1周する。 一度に60語を詰め込もうとせず、オフィス・会計・人事の3カテゴリから始めると挫折しにくい。
  2. 気になった単語は自分の言葉でメモする。 マイ単語帳に追加すると、自分だけのフラッシュカードとしてフラッシュカード(SRS)で間隔反復レビューできる。間隔をあけて復習するほど記憶に定着しやすいというのが間隔反復(スペーシング効果)の基本的な考え方だ。
  3. 例文ごと声に出して覚える。 単語だけを単独で覚えるより、例文の形(コロケーション)で覚えたほうが、実際の文章題で見たときに思い出しやすい。
  4. 標準・応用(④〜⑥)は、TOEICのスコア目標が600点を超えたあたりから本格的に取り組む。 基礎語彙が固まっていない段階で応用語彙に手を広げると、結局どちらも定着しないまま終わりやすい。

単語そのものの覚え方(間隔反復・チャンク学習の考え方)は英単語の覚え方のコツで詳しく解説している。

次のステップ:単語からスコア・出口へ

単語を覚えるだけでは得点は伸びない。単語力を土台に、パート別の解き方や学習期間を組み立てる必要がある。スコア目標別の学習法はTOEIC800点の勉強法・期間TOEIC600点の勉強法(初心者向け)を参照してほしい。また、TOEICのスコアが就活・転職の場でどう評価されるかはTOEICスコアは就活・転職で何点評価される?で整理している。単語→スコア→出口(就活・転職・留学)まで一本の航路としてつなげて考えると、学習のゴールが具体的になりやすい。

よくある質問

Q. この60語だけ覚えればTOEICで高得点が取れますか? A. いいえ。この一覧は「まず優先して覚えるべき頻出語彙」の入り口であり、TOEICの出題範囲全体をカバーするものではありません。基礎30語を固めたうえで、公式問題集などで実際の出題パターンに触れながら語彙を広げていく必要があります。

Q. どのレベルから手を付ければいいですか? A. TOEICスコアや英語学習の経験に関わらず、まずは基礎(目安A2〜B1)の①〜③、オフィス・会計・人事の30語から始めるのがおすすめです。この3カテゴリは日常的な文章でも繰り返し登場するため、汎用性が高いためです。

Q. 単語の暗記と並行して、文法やリスニングの学習もすべきですか? A. はい。単語は文章の中で使われて初めて得点に結びつきます。文法の基礎(前置詞の使い分けなど)は英語の前置詞の使い分け、学習全体のバランスの取り方は英語独学ロードマップも参考にしながら、並行して進めることをおすすめします。

Q. カナ読みは正確な発音の代わりになりますか? A. なりません。カナ表記はあくまで単語を覚える際の補助であり、実際の発音とは異なる部分があります。可能であれば辞書アプリや音声つき教材で正しい発音を確認しながら覚えてください。

次に読む

単語の覚え方そのものは英単語の覚え方のコツ、学習全体の地図は英語独学ロードマップ、スコア別の勉強法はTOEIC800点の勉強法・期間TOEIC600点の勉強法(初心者向け)、出口接続はTOEICスコアは就活・転職で何点評価される?を参照してください。

出典

  • Nation, I.S.P. "How Large a Vocabulary Is Needed for Reading and Listening?" Canadian Modern Language Review 63(1), 2006.
  • IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)公式サイト「TOEIC Programとは」
  • IIBC公式サイト「Test Format and Content|TOEIC Listening & Reading Test」
  • New General Service List Project 公式サイト

FAQ

この60語だけ覚えればTOEICで高得点が取れますか?
いいえ。この一覧は「まず優先して覚えるべき頻出語彙」の入り口であり、TOEICの出題範囲全体をカバーするものではありません。基礎30語を固めたうえで、公式問題集などで実際の出題パターンに触れながら語彙を広げていく必要があります。
どのレベルから手を付ければいいですか?
TOEICスコアや英語学習の経験に関わらず、まずは基礎(目安A2〜B1)の①〜③、オフィス・会計・人事の30語から始めるのがおすすめです。この3カテゴリは日常的な文章でも繰り返し登場するため、汎用性が高いためです。
単語の暗記と並行して、文法やリスニングの学習もすべきですか?
はい。単語は文章の中で使われて初めて得点に結びつきます。文法の基礎や学習全体のバランスも意識しながら、並行して進めることをおすすめします。
カナ読みは正確な発音の代わりになりますか?
なりません。カナ表記はあくまで単語を覚える際の補助であり、実際の発音とは異なる部分があります。可能であれば辞書アプリや音声つき教材で正しい発音を確認しながら覚えてください。
TOBIRA編集部
  • TOEIC/英検指導経験
  • 留学カウンセリング経験
  • 第二言語習得論(SLA)にもとづく編集方針

第二言語習得論(SLA)にもとづく学習設計と、留学・海外就職の一次情報検証を編集方針とする編集部。

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