留学・ワーホリ
スペイン留学の費用相場|学費・滞在費・ビザまで期間別に整理

結論
スペインへの語学留学は、学費だけなら週20時間の標準コースで週€170〜260(約3.2万〜4.8万円)が相場。ここに滞在費・航空券・保険を積み上げた1ヶ月の総額は、学生シェアアパート+地方都市の組み合わせなら約44万円、マドリード/バルセロナのホームステイ+繁忙期渡航なら約85万円まで幅が出る。この記事では実在する語学学校の公式料金と、日本の留学エージェント複数社の目安を突き合わせて、「なぜこんなに幅があるのか」を分解して整理する。91日を超えて滞在する場合は学生ビザの取得が必須になる点もあわせて確認しておきたい。
この記事のポイント
- 学費は「コースの長さ」と「都市」で週あたり単価が変わる(長期ほど・地方都市ほど安い)
- 滞在費は「ホームステイ」か「学生シェアアパート」かで月2〜3万円以上の差が出る
- 90日以内はビザ不要、91日以上は学生ビザ(SSU/SLU)が必須
- 日本の留学エージェントが出す「総額目安」は会社によって数十万円単位でずれる。何が含まれているか(航空券・保険の有無、宿泊のグレード)を確認しないと比較にならない
学費(授業料)の相場 ── 週€170〜260、長期ほど週単価が下がる
インスティトゥート・セルバンテス認定校の公式料金を2校(マドリードとバルセロナ)で確認すると、標準的な「週20時間の集中コース」は次の水準になる。
- Inhispania(マドリード):1週間€190、4週間€690(週あたり平均約€172.5)、12週間€2,005(週あたり約€167)、44週間€7,260(週あたり約€165)。入学金は別途€55(教材・アクティビティ・修了証込み)
- Speakeasy BCN(バルセロナ):2週間€462(通常料金・週あたり約€231)。登録料は別途€65
つまり同じ「週20時間コース」でも、マドリードのほうがバルセロナより週あたり€60前後安く、かつコース期間が長いほど週単価が下がる(Inhispaniaでは1週間コースの€190に対し、44週コースは週あたり約€165まで下がる)。日本の留学比較サイト「留学くらべーる」も学費の目安を「1週間100〜300ユーロ」「1ヶ月あたり5〜15万円」としており、この実測レンジとおおむね整合する。
地方都市の格安校の実例として、ヨーロッパ留学センターが紹介するバレンシアの Hispania(2週間€700・1ヶ月€1,170)、サラマンカの Linguaschools(1ヶ月€937)、マラガの Cervantes EI(2週間€775)が挙げられており、マドリード/バルセロナより1〜3割ほど安い水準になる。都市を1つ地方に移すだけで、学費だけでも月数千円〜1万円程度は下げられるということだ。
為替レートに注意
ユーロ建ての学費・滞在費を円換算する際は、必ず申込み時点の為替レートで計算し直すこと。本記事の円換算は2026年7月17日時点のレート(1€≈¥186)を使用しており、時期によって数万円単位でずれる。
滞在費の相場 ── ホームステイと学生シェアで月2〜3万円以上の差
滞在費は「宿泊形態」で大きく変わる。Inhispania(マドリード)の公式料金表では、1週間あたり次のように設定されている。
| 宿泊形態 | 週額 | 1ヶ月(4週間)換算 |
|---|---|---|
| 学生シェアアパート(相部屋) | €150 | 約€600(≈¥111,600) |
| 学生シェアアパート(個室) | €185 | 約€740(≈¥137,600) |
| ホームステイ(個室・食事なし) | €220 | 約€880(≈¥163,700) |
| ホームステイ(個室・朝夕食付) | €285 | 約€1,140(≈¥212,100) |
| ホームステイ(個室・3食付) | €315 | 約€1,260(≈¥234,400) |
一方、留学エージェント「ブリッジ留学サポートセンター」が案内するマドリード/バルセロナのホームステイ(1人部屋・朝夕食付)相場は月€1,500(≈¥279,000)で、学校直営の相場(€1,140)より2〜3割高い。これはエージェント経由の紹介料や、学校の公式料金表に載らない人気エリアのホストファミリーが上乗せされている可能性が高く、「同じホームステイでも申込みルートで数万円変わる」ことを示している。予算を抑えたいなら、まず学校直営の宿泊オプションを確認し、その上でエージェント経由の相場と比較するのが実務的な進め方になる。
1ヶ月の総額を実費で試算する
上記の学費・滞在費に、入学金・航空券・海外留学保険を積み上げて1ヶ月(4週間)の総額を試算すると、次のようなレンジになる。
低め(地方都市・学生シェア・オフシーズン渡航) 学費(Inhispania相当・長期割引後)€690 + シェアアパート €600 + 入学金 €55 = 学費・滞在費計 €1,345(≈¥250,000)。ここに航空券(アジア経由・オフシーズンで約15万円)と保険(31日で約4万円)を足すと、総額はおよそ44万円。
高め(マドリード/バルセロナ・ホームステイ・繁忙期渡航) 学費(Speakeasy BCN相当)€924 + ホームステイ朝夕食付(エージェント経由)€1,500相当(≈¥279,000)換算 + 登録料 €65 = 学費・滞在費計で約¥46万円。ここに航空券(繁忙期・ヨーロッパ系で約35万円)と保険(約4万円)を足すと、総額はおよそ85万円。
日本の留学エージェント大手2社が公表している「1ヶ月の総額目安」も、この試算とおおむね重なる。「成功する留学」は1ヶ月68〜85万円、「ブリッジ留学サポートセンター」は総額60〜70万円(いずれも航空券・保険込み)としており、高めのレンジ(マドリード/バルセロナ+ホームステイ)とほぼ一致する。一方「留学くらべーる」は1ヶ月20〜50万円という、より低いレンジを示している。これは航空券・保険を含めない、または地方都市・学生シェア中心の前提で計算している可能性が高く、本記事の「低めの試算(約44万円)」に近い水準になる。
つまり
「1ヶ月いくら?」に単一の正解はない。都市・宿泊形態・航空券のシーズンの3点をどう選ぶかで、同じ「1ヶ月留学」でも総額は44万円〜85万円の間で倍近く変わる。エージェントの見積もりを比べるときは、この3点が同条件かを必ず確認すること。
3ヶ月・半年・1年の目安
期間が伸びるほど学費の週単価は下がる一方、滞在費・生活費は期間に比例して積み上がる。「成功する留学」が示す期間別の総額目安は次の通り。
- 3ヶ月:約148〜190万円
- 6ヶ月:約265〜335万円
- 1年:約498〜635万円
これも「都市・宿泊形態」の前提次第で数十万円単位のブレが出ることは1ヶ月の試算と同じ考え方で理解しておきたい。長期になるほど、学生シェアアパートや自炊中心の生活に切り替える留学生が増えるのも、このブレを圧縮する一般的な工夫になる。
航空券・保険などその他費用
- 航空券(往復):時期・経由地で大きく変動。アジア経由のオフシーズンで約15万円〜、ヨーロッパ系航空会社の繁忙期(年末年始・GW・7〜8月)は約35万円〜が目安(ブリッジ留学サポートセンター調べ)
- 海外留学保険:31日間で約3.6万〜4.1万円が目安(同)。長期留学ビザ申請では「治療費の全額が支払われ、支払限度額が無制限」の保険加入が必須要件になる(インタースペイン留学センター調べ)
- 空港送迎・SIM・当面の生活費:初期費用として1〜3万円程度を別途見込んでおくと安心
ビザ:91日が分かれ目
日本国籍者は90日以内の滞在ならビザ不要(シェンゲン協定エリア180日のうち90日ルール)。ただし出国予定日から数えてパスポートの残存有効期間が3ヶ月以上必要で、JASSO(独立行政法人日本学生支援機構)によれば2026年からETIAS(欧州渡航情報認証制度)の事前申請も必要になる。
91日以上滞在する場合はビザが必須で、2種類に分かれる。
- 短期留学査証(SSU):滞在91〜180日
- 長期留学査証(SLU):滞在181日以上。ビザ認可通知から90日以内に入国し、入国後30日以内にTIE(滞在許可証)の取得申請が必要
いずれも日本国籍者は査証申請手数料が免除されるが、申請者本人が在日スペイン大使館領事部に事前予約のうえ出頭する必要がある(インタースペイン留学センター調べ、2024年7月15日より本人出頭制を実施)。また「フルタイム就学」とみなされるのは週20時間以上の通学が条件で、通う語学コースがインスティトゥート・セルバンテスに認可された教育機関であることも必須。出発の3ヶ月以上前の早すぎる申請はできないため、出発の4〜5ヶ月前から準備を始めるのが実務上の目安になる。
ビザ制度は変わる
ETIASの開始時期やSSU/SLUの要件は改正されることがある。渡航が具体化したら、必ず在日スペイン大使館領事部またはJASSOの最新情報で確認すること。
治安について
外務省海外安全ホームページによれば、2026年時点でスペイン全土に対する渡航中止勧告などの特別な危険情報は出ていない。ただし観光地・公共交通機関の車内やホーム、ホテルロビー、飲食店などでのスリ・置き引きは、現地の日本国大使館・総領事館が把握する被害のうち大半を占める傾向がある。留学先としての治安が「危険」というわけではないが、貴重品を体から離さない・混雑した場所で気を緩めないといった基本的な防犯意識は、留学中の日常でも継続する必要がある。渡航前には必ず外務省海外安全ホームページで最新の危険情報を確認しておきたい。
費用を抑える3つのコツ
- コース期間を長めに申し込む:Inhispaniaの例では1週間コースの週単価€190に対し、44週コースは週あたり約€165まで下がる。3ヶ月以上滞在する予定があるなら、短期契約を繰り返すより長期コースでまとめて申し込んだほうが割安。
- 地方都市を検討する:マドリード/バルセロナよりバレンシア・サラマンカ・マラガなどの学校は学費・滞在費とも1〜3割ほど安い水準。DELE試験自体はどの都市の学校で対策しても評価は変わらない。
- 宿泊は学生シェアアパートを軸に検討する:ホームステイ(朝夕食付)はシェアアパート(相部屋)よりも月2万円前後高くなりやすい。会話練習の機会を優先するならホームステイ、費用を優先するならシェアアパートが基本的な判断軸になる。
留学前にどのレベルまで学んでおくべきか
留学の目的が「DELEの取得」なら、渡航前にどこまで独学で到達しておくかで学校選び・コース選びが変わる。ゼロから始める人はスペイン語勉強法(初心者・独学)で全体の学習ロードマップを確認し、すでに基礎がある人はDELE A2レベルの目安で「渡航前にA2まで到達しておくと現地の授業についていきやすい」という目安を確認しておくとよい。長期滞在ではなく「まず1年働きながら暮らしてみたい」という場合は、留学ビザではなくワーキングホリデーという選択肢もある。西・亜・智・宇の4カ国を比較したスペイン語圏ワーホリ4カ国比較もあわせて確認し、留学とワーホリのどちらが自分の目的に合うかを見極めたい。
よくある質問
Q. スペイン留学は1ヶ月でいくらかかりますか? A. 学費・滞在費・航空券・保険を実費ベースで積み上げると、地方都市の学生シェアアパート+オフシーズン渡航の組み合わせで約44万円、マドリード/バルセロナのホームステイ+繁忙期渡航の組み合わせで約85万円が目安。日本の大手留学エージェント2社が示す「1ヶ月60万円台後半〜85万円」という目安ともおおむね重なる。
Q. スペイン留学にビザは必要ですか? A. 90日以内の滞在ならビザ不要(2026年からはETIAS事前渡航認証の申請も必要)。91〜180日は短期留学査証(SSU)、181日以上は長期留学査証(SLU)が必要で、いずれも在日スペイン大使館領事部に本人が事前予約のうえ出頭して申請する。
Q. 学費を安く抑えるコツはありますか? A. (1)長期コースほど週あたりの授業料が下がる(Inhispaniaの例では1週間コース€190に対し44週コースは週あたり約€165)、(2)マドリード/バルセロナより地方都市(バレンシア・サラマンカ・マラガなど)の方が学費・滞在費とも抑えられる、(3)ホームステイより学生シェアアパートの方が滞在費を大きく下げられる、という3点が効く。
Q. スペインの治安は留学先として大丈夫ですか? A. 外務省海外安全ホームページでは2026年時点でスペイン全土に危険情報(渡航中止勧告等)は出ていないが、観光地・公共交通機関でのスリ・置き引きは現地大使館が把握する日本人被害の大半を占める。渡航前に最新の危険情報を必ず確認し、貴重品管理を徹底すること。
Sources
- Inhispania(マドリード・インスティトゥート・セルバンテス認定校)公式料金表
- Speakeasy BCN(バルセロナ)Course Prices
- JASSO(日本学生支援機構)海外留学情報サイト「渡航・滞在(スペイン)」
- インタースペイン留学センター「スペイン留学ビザについて」
- 成功する留学「スペイン留学の費用(1年・半年・1ヵ月・生活費)」
- ブリッジ留学サポートセンター「スペイン1ヶ月留学にかかる費用と内訳」
- 留学くらべーる「スペイン留学の費用」
- ヨーロッパ留学センター「スペインの格安語学学校おすすめ5選&語学留学費用の相場」
- 外務省 海外安全ホームページ「スペイン安全対策基礎データ」
- Xe.com EUR/JPY為替レート
FAQ
- スペイン留学は1ヶ月でいくらかかりますか?
- 学費・滞在費・航空券・保険を実費ベースで積み上げると、地方都市の学生シェアアパート+オフシーズン渡航の組み合わせで約44万円、マドリード/バルセロナのホームステイ+繁忙期渡航の組み合わせで約85万円が目安。日本の大手留学エージェント2社が示す「1ヶ月60万円台後半〜85万円」という目安ともおおむね重なる。
- スペイン留学にビザは必要ですか?
- 90日以内の滞在ならビザ不要(2026年からはETIAS事前渡航認証の申請も必要)。91〜180日は短期留学査証(SSU)、181日以上は長期留学査証(SLU)が必要で、いずれも在日スペイン大使館領事部に本人が事前予約のうえ出頭して申請する。
- 学費を安く抑えるコツはありますか?
- (1)長期コースほど週あたりの授業料が下がる(Inhispaniaの例では1週間コース€190に対し44週コースは週あたり約€165)、(2)マドリード/バルセロナより地方都市(バレンシア・サラマンカ・マラガなど)の方が学費・滞在費とも抑えられる、(3)ホームステイより学生シェアアパートの方が滞在費を大きく下げられる、という3点が効く。
- スペインの治安は留学先として大丈夫ですか?
- 外務省海外安全ホームページでは2026年時点でスペイン全土に危険情報(渡航中止勧告等)は出ていないが、観光地・公共交通機関でのスリ・置き引きは現地大使館が把握する日本人被害の大半を占める。渡航前に最新の危険情報を必ず確認し、貴重品管理を徹底すること。
本記事は教育目的の情報提供であり、ビザ・移民・法律に関する助言ではありません。手数料・ビザ制度・日程は変わるため、行動前に必ず記事内の公式リンクでご確認ください。