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スペインの就労ビザの取り方|一般就労ビザとデジタルノマドビザの違いを整理

マドリードのビジネス街クアトロ・トーレス・ビジネスエリア(CTBA)
Zarateman (Wikimedia Commons, CC0)

結論

日本国籍者がスペインで働くには、観光目的の90日以内滞在とは別に、就労のための在留資格が必要です。主な選択肢は2つあります。①雇用主スポンサー型の一般就労ビザ(cuenta ajena=「他人のために働く」の意)は、スペインの雇用主が現地で先に労働許可を申請し、それを受けて本人がビザを申請する仕組みです。②デジタルノマドビザは2023年3月から申請が始まった比較的新しい制度で、スペイン国外の企業・クライアントの下でリモートワークをする人が対象です。いずれも、18〜30歳限定・最長1年のスペインワーキングホリデービザとは別の制度である点に注意してください。申請の多くは在日スペイン大使館領事部(東京)で本人が窓口手続きを行います。

この記事の位置づけ

ビザの要件・必要書類・手数料・審査期間は制度改定や個別事情によって変わります。本記事は「どんな選択肢があり、どういう仕組みか」という全体像の整理が目的です。具体的な金額・日数・提出書類の最終確認は、必ず在日スペイン大使館またはスペイン移民局(Ministerio de Inclusión, Seguridad Social y Migraciones)の公式サイトで行ってください。

この記事のポイント

- スペインで働く主な選択肢は「雇用主スポンサー型の一般就労ビザ(cuenta ajena)」と「デジタルノマドビザ」の2つ

- 一般就労ビザは雇用主がスペイン国内で先に許可を申請する仕組み。本人がまず動く制度ではない

- デジタルノマドビザは2023年3月申請開始。スペイン国外の企業・クライアントの下で働くリモートワーカー・フリーランス向け

- ワーキングホリデービザ(18〜30歳・最長1年・年間枠あり)とは別制度

- 申請は在日スペイン大使館領事部(東京都港区六本木)で本人が行うのが基本

スペインで働くための主な選択肢

制度対象特徴
一般就労ビザ(cuenta ajena)スペインの企業に雇用される人雇用主が現地で先に労働許可を申請。年齢制限はないが雇用主のスポンサーが前提
デジタルノマドビザスペイン国外の企業・クライアントの下で働くリモートワーカー・フリーランス2023年3月申請開始。スペイン国内の企業に直接雇用されるわけではない
自営業ビザ(cuenta propia)スペインで起業・個人事業を行う人事業計画等の提出が必要な別カテゴリ
ワーキングホリデービザ18〜30歳最長1年・年間発給枠あり・カジュアルな就労が前提。詳細はスペイン語圏ワーホリ4カ国比較
学生ビザ+資格外活動スペインの教育機関に在籍する人就労はあくまで副次的で、時間数等の制限がある

一般就労ビザ(cuenta ajena)の仕組み

スペイン移民・社会保障省(Ministerio de Inclusión, Seguridad Social y Migraciones)の公式ページによると、cuenta ajena(雇用契約に基づく就労)の許可申請は、まだスペインに居住していない外国人労働者を対象に、雇用主側が申請を行う仕組みです。本人がまず単独で動ける制度ではなく、スペインの企業から採用が決まっていることが前提になります。

必要書類として公式ページが挙げているのは、おおむね次のような内容です。

  • 有効期限が1年以上残っているパスポート
  • 過去5年間に居住した国・地域の官憲が発行する犯罪経歴証明書
  • 診断書(健康証明)
  • 雇用契約書(当事者・就労開始日・企業の所在地・職種区分・給与・勤務時間・休暇日数・予告期間・適用される労働協約などの記載が必要)

入国後は、雇用主が入国から3日以内に社会保障(Seguridad Social)への登録手続きを行う義務があります。許可期間が6か月を超える場合は、社会保障登録から1か月以内に、外国人身分証(TIE)の申請が必要です。

具体的な必要書類・手数料は変わり得る

上記は制度の骨格です。個別のケースで求められる追加書類や、申請手数料、審査にかかる期間は、スペイン移民局および在日スペイン大使館の公式情報で必ず確認してください。

申請の流れ(日本からの場合のおおまかな順序)

  1. スペインの企業から採用が決まる:一般就労ビザは雇用主スポンサー型のため、まず雇用契約(オファー)を得る必要があります。
  2. 雇用主がスペイン国内で労働許可を申請:申請主体は雇用主です。
  3. 許可が下りたら、本人が在日スペイン大使館でビザ申請:在日スペイン大使館領事部(東京都港区六本木1-3-29)の窓口で手続きを行います。ビザに関する問い合わせ先はemb.tokio.visa@maec.esです。
  4. 入国後の手続き:雇用主による社会保障登録、必要に応じてTIE(外国人身分証)の申請へ進みます。

在日スペイン大使館領事部の一般的な窓口対応時間は平日午前中(大使館公式サイトの案内では9:00〜13:00)ですが、ビザの種類によって受付方法が異なる場合があるため、事前に大使館の公式サイトで最新の案内を確認してください。

デジタルノマドビザという新しい選択肢

デジタルノマドビザ(正式名称:Visado de residencia para teletrabajo/通称ビザ・デ・ノマダス・デジタレス)は、2022年に成立した「スタートアップ法」にもとづく比較的新しい制度で、2023年3月から申請が始まりました。スペイン国内の企業に直接雇用されるのではなく、スペイン国外の企業・クライアントとの契約にもとづいてリモートワークを行う人を対象にしています。在日スペイン大使館の公式サイトにも、通常のビザ申請と並んで独立した申請区分として掲載されています。

収入要件はスペインの最低賃金(SMI)を基準とした倍率で定められており、SMI自体が毎年見直されるため、具体的な金額は年によって変わります。申請を検討する場合は、その時点での最新の要件を必ず公式サイトまたは大使館に確認してください。

ワーキングホリデーとは別の制度

スペイン語圏ワーホリ4カ国比較で紹介しているとおり、日本・スペイン間のワーキングホリデー制度は2017年に発効し、18〜30歳を対象に、最長1年・年間発給枠(発効初年度は日西それぞれ500人)という条件で運用されています。カジュアルな就労を含め幅広い活動が認められる一方、年齢制限と発給枠があり、雇用主のスポンサーを前提とする一般就労ビザとは制度の目的も申請方法も異なります。「まずワーホリで渡航して現地で正社員の仕事を探す」ことと「日本にいる段階で就労ビザを取得する」ことは別の話なので、混同しないようにしてください。

語学力はどのくらい必要か

ビザの要件として特定のスペイン語試験の合格が法的に義務づけられているわけではありません(少なくとも一般就労ビザ・デジタルノマドビザについて、そうした規定を裏付ける公式情報は確認できていません)。ただし、現地企業への就職という実務面では、スペイン語力が採用可否に直結します。DELE B2の難易度と目安で紹介しているとおり、スペインの主要大学がスペイン語学位課程の出願要件としてB2レベルを明示している例があり、専門職の現地採用でもB2前後が評価の目安に挙げられることがあります。就労を具体的に考え始めた段階で、DELE対策は独学でできる?を参考に学習計画を立てておくと安心です。

よくある質問

Q. ワーキングホリデービザのまま正社員として働き続けられますか? A. ワーキングホリデーは18〜30歳向けの年間発給枠つきの別制度で、最長1年という期間の制限もあります。長期的にスペインの企業で正社員として働き続けるには、雇用主スポンサー型の一般就労ビザなど、別の在留資格への切り替えが必要になります。

Q. デジタルノマドビザと一般就労ビザはどちらが自分に合いますか? A. スペイン国内の企業に直接雇用される場合は一般就労ビザ(雇用主が現地で申請)、日本や第三国の企業・クライアントとの契約を維持したままスペインでリモートワークをする場合はデジタルノマドビザが対象になります。どちらに該当するかは雇用形態によって決まるため、迷う場合は大使館に確認してください。

Q. DELEなどの語学資格がないと申請できませんか? A. 一般就労ビザ・デジタルノマドビザの要件として、特定の語学試験合格を義務づける公式情報は確認できていません。ただし現地採用の選考ではスペイン語力が重視されるのが実情で、DELE B2前後が一つの目安として語られることがあります。

Q. 申請から取得までどのくらいかかりますか? A. ケースや申請時期によって変わるため、本記事では具体的な日数を断定しません。余裕をもって早めに準備を始め、在日スペイン大使館の公式サイトで最新の目安を確認することをおすすめします。

出典

  • Ministerio de Inclusión, Seguridad Social y Migraciones(スペイン移民・社会保障省)「Cuenta ajena」
  • Embajada de España en Japón(在日スペイン大使館)公式サイト内「Visado de residencia para teletrabajo(nómada digital)」申請区分ページ
  • Embajada de España en Japón(在日スペイン大使館)「Horario, localización y contacto」(窓口対応時間・連絡先)
  • 日本ワーキングホリデー協会「スペインのワーキングホリデービザ情報」

Sources

  1. Ministerio de Inclusión, Seguridad Social y Migraciones (España) — Cuenta ajena
  2. Embajada de España en Japón — Visado de residencia para teletrabajo (nómada digital)
  3. Embajada de España en Japón — Horario, localización y contacto
  4. 日本ワーキングホリデー協会「スペインのワーキングホリデービザ情報」

FAQ

ワーキングホリデービザのまま正社員として働き続けられますか?
ワーキングホリデーは18〜30歳向けの年間発給枠つきの別制度で、最長1年という期間の制限もあります。長期的にスペインの企業で正社員として働き続けるには、雇用主スポンサー型の一般就労ビザなど、別の在留資格への切り替えが必要になります。
デジタルノマドビザと一般就労ビザはどちらが自分に合いますか?
スペイン国内の企業に直接雇用される場合は一般就労ビザ(雇用主が現地で申請)、日本や第三国の企業・クライアントとの契約を維持したままスペインでリモートワークをする場合はデジタルノマドビザが対象になります。どちらに該当するかは雇用形態によって決まるため、迷う場合は大使館に確認してください。
DELEなどの語学資格がないと申請できませんか?
一般就労ビザ・デジタルノマドビザの要件として、特定の語学試験合格を義務づける公式情報は確認できていません。ただし現地採用の選考ではスペイン語力が重視されるのが実情で、DELE B2前後が一つの目安として語られることがあります。
申請から取得までどのくらいかかりますか?
ケースや申請時期によって変わるため、本記事では具体的な日数を断定しません。余裕をもって早めに準備を始め、在日スペイン大使館の公式サイトで最新の目安を確認することをおすすめします。
TOBIRA編集部
  • DELE/SIELE指導経験
  • 中南米留学サポート経験
  • 第二言語習得論(SLA)にもとづく編集方針

DELE/SIELE対策とスペイン語圏留学の一次情報にこだわり、第二言語習得論(SLA)にもとづく学習設計を行う編集部。

本記事は教育目的の情報提供であり、ビザ・移民・法律に関する助言ではありません。手数料・ビザ制度・日程は変わるため、行動前に必ず記事内の公式リンクでご確認ください。