単語・フレーズ

スペイン語の数字の数え方・発音ガイド|0から100万まで、アクセントと地域差の発音つき

スペイン・グラナダの青果店に貼られた栗の値段表示(1.20€/kg)
Marek Ślusarczyk / CC BY 3.0 (Wikimedia Commons)

結論

スペイン語の数字は、0〜15までがそれぞれ独立した単語、16〜19と21〜29は「diez」「veinte」と一の位が1語に融合し、30以降は「treinta y uno」のように「decena(十の位)+y+一の位」と分かち書きする——この境目を正確に押さえるだけで、書き方の迷いはほぼ解消する。もう一つ、日本語の解説でしばしば見落とされているのが発音の地域差だ。cinco・diez・once・doceのようにcやzを含む数字は、スペイン本国では英語のthに近い音、中南米・カナリア諸島・アンダルシア西部の一部では素直なs音になる——同じ綴りでも聞こえ方が変わる。この記事は、カナ読みの精度に加えて、この地域差とアクセント記号(tilde)の必須ルール、100の「シエン/シエント」の使い分け、位が上がるほど間違えやすい性の一致まで、数字を実際に使う場面ごとに整理する。

この記事のポイント

- 0〜15は個別の単語、16〜19・21〜29は1語、30以降は「y」でつないで分かち書き(treinta y uno)

- dieciséis・veintidós・veintitrés・veintiséisにはアクセント記号(tilde)が必須——省略すると誤記になる

- 100は単独・名詞の直前・mil/millónの前はcien、それ以外の数が続くときはciento

- 200〜900は名詞の性に一致して-os/-asが変化する(doscientos libros/doscientas páginas)。500・700・900は不規則形

- cinco・diez・once・doceなどc/zを含む数字は、スペイン本国とラテンアメリカで発音が変わる(後述)

0〜10:まずこの11個

数字スペイン語読み方(カナ)メモ
0ceroセロ
1unoウノ名詞の前で男性名詞ならun、女性名詞ならunaに変化(un libro/una casa)
2dosドス
3tresトレス
4cuatroクアトロ
5cincoシンコ語頭のcの発音に地域差あり(後述)
6seisセイス
7sieteシエテ
8ochoオチョ
9nueveヌエベ
10diezディエス語末のzの発音に地域差あり(後述)

11〜19:teens特有の形

数字スペイン語読み方(カナ)メモ
11onceオンセ
12doceドセ
13treceトレセ
14catorceカトルセ
15quinceキンセ
16dieciséisディエシセイスアクセント記号必須(後述)
17diecisieteディエシシエテ
18dieciochoディエシオチョ
19diecinueveディエシヌエベ

11〜15は「diez」から発音も綴りも変化した独立の単語(onceは英語のelevenに近い成り立ち)。16〜19は「diez」+「y」+一の位が1語に融合した形——「dieciséis」はdiez+y+seisが由来だが、綴りにzやyは残らない。

20〜29:veinti-でひとまとまり

数字スペイン語読み方(カナ)メモ
20veinteベインテ
21veintiunoベインティウノ名詞の前はveintiún(例:veintiún años)
22veintidósベインティドスアクセント記号必須
23veintitrésベインティトレスアクセント記号必須
24veinticuatroベインティクアトロ
25veinticincoベインティシンコcinco部分の発音に地域差あり
26veintiséisベインティセイスアクセント記号必須
27veintisieteベインティシエテ
28veintiochoベインティオチョ
29veintinueveベインティヌエベ

なぜdieciséis・veintidós・veintitrés・veintiséisにはアクセント記号(tilde)が必須なのか

スペイン語のアクセント規則では、最後の音節に強勢があり、かつ語末が母音・n・sで終わる語(agudas)には原則としてtildeを付ける。dieciséis・veintidós・veintitrés・veintiséisは、diez+seis、veinte+dos、veinte+tres、veinte+seisが1語に融合した結果、強勢が語末の音節(-séis/-dós/-trés/-séis)に移り、しかも語末がsで終わるためtildeが必須になる。一方、diecisiete・dieciocho・diecinueve・veintiuno・veinticuatro・veinticincoなどは強勢が最後から2番目の音節にあり(母音で終わるllana語)、この規則では原則tilde不要——アクセントの有無は「元の数字にあったかどうか」ではなく「1語になったときの強勢位置と語末の文字」で決まる。

30〜90:ここから「decena y 一の位」に分かれる

数字スペイン語読み方(カナ)メモ
30treintaトレインタ
31treinta y unoトレインタ イ ウノ21〜29と違い1語にならず分かち書き。名詞の前はtreinta y un
40cuarentaクアレンタ
50cincuentaシンクエンタ発音に地域差あり
60sesentaセセンタ
70setentaセテンタ
80ochentaオチェンタ
90noventaノベンタ

なぜ21〜29は1語で、31以降は分かち書きなのか——これは慣用として定着した書き方の境目で、規則そのものに例外はない。「treintaicinco」のような1語表記も文法的には許容されるが、実際に広く使われているのは「treinta y cinco」のような分かち書きの方だ。組み合わせの例:

数字スペイン語読み方(カナ)
45cuarenta y cincoクアレンタ イ シンコ
67sesenta y sieteセセンタ イ シエテ
99noventa y nueveノベンタ イ ヌエベ

100〜900:cien/cientoの使い分けと性の一致

数字スペイン語(男性形)読み方(カナ)メモ
100cienシエン単独・名詞の直前・mil/millónの前
101ciento unoシエント ウノ他の数が続くのでciento
120ciento veinteシエント ベインテ同上
200doscientos/doscientasドスシエントス女性名詞の前はdoscientas
300trescientos/trescientasトレスシエントス
400cuatrocientos/cuatrocientasクアトロシエントス
500quinientos/quinientasキニエントス不規則形(cincocientosではない)
600seiscientos/seiscientasセイスシエントス
700setecientos/setecientasセテシエントス不規則形(sietecientosではない)
800ochocientos/ochocientasオチョシエントス
900novecientos/novecientasノベシエントス不規則形(nuevecientosではない)

cien と ciento の使い分け

100がそれ単独、名詞の直前(cien euros)、またはmil・millónの直前(cien mil、cien millones)に来るときはcien。100の後ろに別の数字が続くとき(101〜199)はciento(ciento uno、ciento noventa九)になる——「cien mil」はciento milではない点に注意。

200〜900の性の一致

-cientosの形は、修飾する名詞の性に合わせて-osと-asが変化する(doscientos libros「200冊の本」/doscientas páginas「200ページ」)。この一致ルールは、200を100の位として含む数(1,200・3,200など)にも及ぶ。500・700・900は「cinco」「siete」「nueve」から素直に作らない不規則形——quinientos・setecientos・novecientosという形をそのまま覚える必要がある。

1,000以上:milにunをつけない・millónにはdeが必要

数字スペイン語読み方(カナ)メモ
1,000milミルunをつけない(un milとは言わない)
2,000dos milドス ミルmilは複数形にならない
100,000cien milシエン ミルmilの前はciento milではなくcien mil
1,000,000un millónウン ミジョン名詞が続くときはde必須(un millón de personas)
2,000,000dos millonesドス ミジョネス複数形はmillones。同じくde+名詞

mil と millón の決定的な違い

英語では"a thousand"のようにaを付けるが、スペイン語のmilは単独で「1,000」を表し、unを付けない(×un mil、◯mil)。millónは逆にunが必要(un millón)で、しかも名詞を直接続けられず前置詞deを挟む(un millón de personas「100万人」)。milは名詞の直前に付けられる(mil personas「1,000人」)のに対し、millónは常にde+名詞という違いも合わせて覚えると混同しない。

性の一致:実際の名詞と組み合わせる

スペイン語読み方(カナ)意味
200冊の本(男性名詞)doscientos librosドスシエントス リブロスlibroは男性名詞
200ページ(女性名詞)doscientas páginasドスシエンタス パヒナスpáginaは女性名詞
21歳veintiún añosベインティウン アニョスañoは男性名詞。veintiuno→veintiúnとアポコペ
21人veintiuna personasベインティウナ ペルソナスpersonaは女性名詞

発音の地域差:cinco・diezのcとzはどう読む?

「カナ読みが不正確」と感じるスペイン語の数字記事の多くは、この地域差に触れていない。cやz(e/iの前のc、およびすべてのz)の発音には、大きく分けて2つの系統がある。

  • distinción(スペイン本国の標準):sは日本語の「ス」に近い音、z・c(e/iの前)は英語のthinkのth(無声歯間音)に近い音で読む。マドリードなど中北部スペインの標準的な発音。
  • seseo(ラテンアメリカ全域+カナリア諸島+アンダルシア南部の一部):s・z・c(e/iの前)をすべて「ス」に近い音でまとめて読む。中南米すべての国と話者数で見ればこちらが多数派。

この記事の読み方(カナ)はseseo(s音でまとめる系統)をベースにしている——ラテンアメリカの話者数が多いことに加え、日本語のカナ表記ではth音を正確に書き分けられないため。cinco・diez・once・doce・trece・catorce・quince・cincuenta・veinticincoなど、cまたはzを含む数字をスペイン本国の発音で聞く・話す場合は、該当のc/zの部分を英語のthinkのthに近い音に置き換えて発音する、と理解しておくとよい。この発音の基礎そのものはスペイン語の発音のコツでも扱っている。

実際の場面で使う:日付・年齢・値段

スペイン語読み方(カナ)メモ
7月17日el diecisiete de julioエル ディエシシエテ デ フリオ日付は英語のような序数(17th)ではなく基数詞をそのまま使う
1月1日el primero de eneroエル プリメロ デ エネロ1日だけは例外。el unoでも通じるが、慣用的にel primero(序数)が好まれる
私は25歳ですTengo veinticinco añosテンゴ ベインティシンコ アニョス年齢はtener(持つ)+数字+años
3.50ユーロですCuesta tres coma cincuenta eurosクエスタ トレス コマ シンクエンタ エウロス小数点はcoma(コンマ)と読む。tres euros y cincuenta céntimosと分けて言う言い方も一般的

日付は月の1日(el primero)を除き、すべて基数詞(cardinal number)で読む——英語のように「17th」にあたる序数を使わない点は、フランス語など他のロマンス語とも異なるスペイン語特有のルールなので、旅行や予約の場面で特に間違えやすい。

明日から使える3ステップ

  1. まず0〜10、そして「dieci-」「veinti-」でひとまとまりになる16〜19・21〜29を声に出して覚える
  2. dieciséis・veintidós・veintitrés・veintiséisの4つだけアクセント記号が必須、という例外を先に覚えてしまう
  3. あいさつや旅行フレーズと組み合わせて実際に数字を使う場面を増やす——あいさつフレーズ31選メキシコ旅行フレーズ28選フラッシュカードで定着させるとよい

よくある質問

Q. 100は「cien」と「ciento」のどちらが正しいですか? A. 100単独、名詞の直前(cien euros)、mil・millónの直前(cien mil、cien millones)はcien。101以降のように別の数字が後ろに続くとき(ciento uno、ciento veinteなど)はcientoになる。

Q. なぜ21〜29は1語で書くのに、31以降は「treinta y uno」のように分けて書くのですか? A. 16〜19・21〜29は歴史的にdiez/veinte+y+一の位が1語に融合して定着した形。30以降(treinta、cuarentaなど十の位)は、同じ融合が定着せず「decena(十の位)y 一の位」の分かち書きが標準として残った——文法上の規則というより、慣用として定着した書き方の境目にあたる。

Q. cinco・diezの発音はスペインとラテンアメリカで本当に違いますか? A. はい。cやz(e/iの前)の発音には、スペイン中北部の distinción(z・cをthに近い音、sをス に近い音で区別)と、ラテンアメリカ全域・カナリア諸島・アンダルシア南部の一部で使われる seseo(z・c・sをすべてス に近い音でまとめる)という2つの系統がある。この記事のカナ読みはseseo(ス でまとめる系統)をベースにしている。

出典

  • Real Academia Española(RAE)「Ortografía de los numerales cardinales」(rae.es/ortografía)
  • RAE公式X(@RAEinforma)「veintidós・veintitrés・veintiséisはアクセントを伴う語末sのアグダ語であるためtildeが必須」
  • RAE「cardinales」(Diccionario panhispánico de dudas, rae.es/dpd/cardinales)
  • RAE「ciento」(Diccionario panhispánico de dudas, rae.es/dpd/ciento)
  • Kwiziq Spanish「Expressing large numbers: hundreds, thousands, millions and billions」
  • Elon.io「Seseo and distinción」/Trusted Translations「Pronouncing c and z in Spanish」

FAQ

100は「cien」と「ciento」のどちらが正しいですか?
100単独、名詞の直前(cien euros)、mil・millónの直前(cien mil、cien millones)はcien。101以降のように別の数字が後ろに続くとき(ciento uno、ciento veinteなど)はcientoになる。
なぜ21〜29は1語で書くのに、31以降は分けて書くのですか?
16〜19・21〜29は歴史的にdiez/veinte+y+一の位が1語に融合して定着した形。30以降(treinta、cuarentaなど)は同じ融合が定着せず、decena(十の位)y一の位の分かち書きが標準として残った。
cinco・diezの発音はスペインとラテンアメリカで本当に違いますか?
はい。cやz(e/iの前)の発音には、スペイン中北部のdistinción(z・cをthに近い音、sをス に近い音で区別)と、ラテンアメリカ全域・カナリア諸島・アンダルシア南部の一部で使われるseseo(z・c・sをすべてス に近い音でまとめる)という2つの系統がある。この記事のカナ読みはseseoをベースにしている。
TOBIRA編集部
  • DELE/SIELE指導経験
  • 中南米留学サポート経験
  • 第二言語習得論(SLA)にもとづく編集方針

DELE/SIELE対策とスペイン語圏留学の一次情報にこだわり、第二言語習得論(SLA)にもとづく学習設計を行う編集部。

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